母親との対話を通して①
母に摂食障害をカムアウトして以来、いろんな葛藤がありました。
日々いろんな葛藤があるので、シリーズ形式で随時書き記していこうと思います(私が愚痴りたい…という目的も含めて(笑))
理解を示し、心配してくれるのは嬉しいけれど……
やっぱり摂食障害を理解してもらうのは、なかなか難しい。
私だって、この病気になる前は誤解していた部分が多かったので、わからない気持ちはよくわかるのだけど、何も調べることなく、ストレートな疑問や意見をガンガン押し付けてくるから、辛くなることも多くて。
●なんでそんなに痩せることにこだわるの?
●コンプレックスなんて誰でもあるんだから……
●ちょっとは我慢できないの? どうしてもダメなの?
●どう? 治ってきてる? ちょっとはよくなってるの?
●それは必ず治るのよね? 怪しい病院じゃないでしょうね?
●お酒は絶対に飲んじゃダメよ。飲みすぎだから、そうなるのよ
●気にしすぎで病気になってるんだから、そんなに気にしないほうがいい
●ストレスなんて誰にでもあるんだし、溜め込まなきゃいいのよ
●泣くようなことじゃないじゃない、大げさに考えないほうがいい
●早く元の「明るくて前向きなあなた」に戻ってね
●体型を気にしすぎてしまうなら、お願いだからダンスはやめてほしい
あと「昨日はどうだった? ちゃんと食べた? 吐かなかった?」と、毎日のように確認してくるのも、辛かった。
こちらも正直に「うーん……まぁまだダメだよ…」と伝えてしまうので、そうするとため息交じりに「あぁ…そうなの」と返されて、母親をガッカリさせたこともまた辛くなってしまって。
それで昨日、長い手紙を添えて、摂食障害について書いた本から「過食症」「過食嘔吐」になる性質や傾向、治し方など、詳しい箇所をコピーして渡してみました。
手紙では、この病気が外から見るよりも辛い症状を伴うこと、それに対して私がどれだけ自己嫌悪になってしまうか、治すのがどれほど大変かがわかるように、初めてと言っていいほど心を開き、気持ちを書きつづりました。
さきほど、電話があって「資料はまだ読んでいないけど、手紙は読んだ」そうで、ある程度の理解を示してはくれたけど……そこで出てきたのが「いとこの話」。
「いとこの〇〇ちゃんなんて、職場で女性の先輩から『またそんな服を買ったの? 旦那さんも大変ね』なんて、よく嫌味を言われてるらしいわよ。強気に『ええ、旦那さんは素敵だと言って買ってくれますので』って返してるらしいけどね。誰だってそういう人間関係のストレスくらい、あるわよ。あなたは会社に所属していないんだから、まだいいじゃない」
ああ……って思いました。全然わかってもらえない。伝わらない。
電話口でまた泣きそうになりながら
「人との比較では、ストレスなんて測れない。それだと、いとこのほうが大変でも耐えてるのだから、私はストレスのかかりにくい生活環境なのに、摂食障害くらいで甘えてる、ってことになるじゃない。何をどう感じるかなんて人それぞれで違うのに」
と言ったら、母は慌てたように「そんなこと言ってないじゃない」と言い、焦ったように電話を切られてしまいました。
すごく悲しい。悲しくて、もどかしくて。
別に「あなたは甘えてる」って言いたかったわけじゃないと思うけど、私にはそう聞こえるというのが伝わらないことが辛くて。
それでもう一度電話をして
「さっき、ああ言われたけれど、私が甘えた性格だからストレスを強く感じてしまうと言われているようで、とても辛い。私にもいろんなストレスはあるし、病気のことは真剣に悩んでいるし、それをどう感じて受けとめるかなんて、人によって違う。ほかの人よりも楽なのだからもっと頑張れ、と言われても、私には私の感じ方があって、今とても辛い」
と泣きながら伝えました。
うちの母は「泣くこと」に対して強い抵抗感がある人で(そのことは今度改めて書きます)ものすごく動揺しながら
「そんな泣かないで。そういうつもりで言ったんじゃなかったの。でもごめんなさい」
と言ってくれました。
母を動揺させるのは嫌だし、謝らせたいわけじゃない。
それでも……ここでモヤモヤとした想いを放置したら、私はきっと母と話すのをどんどん避け、せっかく開いた心を閉じてしまうだろうなと思った。
結果的に動揺させてしまったけれど、気持ちを伝えられるようになったのは、きっといいこと。すごくいいこと。
そして泣いて話しながら、私はずっと母に対しても心を閉ざしてきたんだと思いました。
「どうせわかってもらえない」と諦めて、本音を言わず、たまに喧嘩するけれど、肝心な言葉は伝えずに、イライラをぶつけるだけだった。
でも今、ようやく「私はこういう人間である」と素直に認め、素直に伝えられていると感じています。
急だから母もビックリしているし、動揺もしているけれど……
ゆっくりとコミュニケーションをしながら、伝えていきたい、わかり合いたいと願っています。
私はこんなにも「わかってほしい」って思ってたんだ。
ずっと「本当の私に気づいて」「本当の私を避けないで」と思ってた。
だから最近、本音で母と話すたび、こんなに涙が出るんだ。
でも涙を流すたび、少しずつ「これでいい」って気持ちが高まってます。
母との対話、今後もいろいろあると思うので、更新していきます。