食べて生きる喜びを思い出す時間
今日は午後にオフの時間を取って、大きな公園の芝生の上で、3時間くらいかけながら、のんびりランチを食べました。
風がふいて、暑すぎず、少し曇り空だけど、お天気のいい平日の午後。
噴水から出る水の音、鳥の声、子供たちが踏む草の音、大人たちの笑い声、どこからか聞こえる太鼓の音色、工事の騒音……
そんなたくさんの音に耳をすませつつ、青々とした木々や芝生を眺めながら、お昼ごはん。
写真は、海老とアボカドとポテトのサラダ、パクチーとコーンのサラダ、湯葉豆腐の揚げ団子です。これ以外に、プレッツェル(ドイツのパン)もいただきました。
やっぱり今でも……パン、トウモロコシ、じゃがいもは糖質量を考えてしまうし、揚げ団子は「つなぎに小麦粉が」とか「揚げ油でカロリーが」とか考えてしまう。
そう思うと怖くなって、つい「吐いてなかったことに」と思いかけたけど……
そうしなかったのは、ぼーっとしながら、ゆっくり食べているうち、いろんな「食べる」記憶がよみがえってきたから。
「小学生のころ、塾の先生宅の庭にトウモロコシを植えて、実がなるのを毎年楽しみにしていたっけ。あのときのコーン、甘くておいしかったな」
「この湯葉豆腐、ママがいつも作ってくれてたメニューなんだよね。また帰省したときには、作ってもらおう」
「昔から、いも・くり・かぼちゃ系のほくほく食感&まったり味のものが好きだったなぁ。アボカドって子どものころはなかったけど、それに近いもんね」
「ドイツに旅したとき、プレッツェルにハマったっけ。おいしいハムとチーズ、野菜を挟んだだけのサンドイッチが最高だった!」
なのに、今では私はそれらを怖がって、憎んで、吐き出してるんだ……
なにしてるんだろ、って思いながら、ぼんやり周囲を見てみた。
平日午後2時過ぎ、大きな公園にはいろんな「食べてる人」がいる。
アイスを食べながら、おしゃべりに夢中の女性たち。
ホットドッグ!と叫びながら食べてる子ども。
ビール片手に新聞を読みふけるおじさん。
サンドイッチを食べて、遠くを見つめる外国人。
水着で日焼けしながら、スナック菓子をほおばるカップル。
もちろん、個々に悩みはあるだろうけど、誰もこんな青空の下、私みたいに「これのカロリーは何キロあって、糖質量がこれだけで、朝にもう何グラム摂っちゃったから、これは半分だけにしなきゃいけない」なんて考えてなさそう(笑)
そして、改めて。
食べたいものを食べて、おいしいなあって顔してるのって、
生き物として当たり前のことで、
生きていくうえで、この上なく大事なことなんだなって、
つくづく思ったのでした。
今朝、急に「今までこんなに頑張って、ダイエットを”成功”させてきたのに、今から摂食障害を治すために糖質を摂って太らなきゃいけないのって、もったいない。今までの頑張りは、なんだったの? やだやだ、太りたくない、もっと痩せたい」って考えが、頭のなかをぐるぐるしました。
だから本当は、ランチを食べることも、高糖質のものを食べることも抵抗があったのだけど、今日どうしても自然のなかで食事がしたくて、とりあえずデパ地下でお惣菜を買ってみた。残してもいい、って思いながら。
でも、緑いっぱいの公園で、いい笑顔で食べものをほおばる人を見てるうちに、思ったのです。
私が頑張ってきたダイエットの、一体どこが”成功”だったんだ?
食べたい心を押し込めて、自己暗示をかけて、本能が暴れても無視して、飲みたくないのに飲んで酔って、我慢してきたものばかり食べて、食べて、吐いて、自己嫌悪して。
たしかに体重は減ったけど、摂食障害を抱えたダイエットのどこが成功?
自分でちょっと笑ってしまいました。
成功じゃない。
だから、やり直す。
やり直すために、まず食べよう。
だって、これ、おいしいよ。
公園でのゆっくりランチ。お腹いっぱい、おいしくいただきました。こんな気持ちになれたことに、ちょっと涙が出た。
しかもね、時間をかけて満足いくまで食べたから、結局そのあとお腹が空かなくて、夕飯は少しで十分でした。体も心も、ほんと素直です。
ちなみにこのあと、夕方から土砂降り(笑)
普段、晴れ女なので、雨に降られることはめったにないのだけど、今日はびしょぬれになりながら帰宅しました。
でも今日の雨は気持ちがよくて。「傘もいいや、雨宿りもしなくていいや」と思って、とことこ歩いて帰宅。
すがすがしい一日でした!