摂食障害を自覚するまで⑥吐いて、泣いてばかり
海外ひとり旅で増えた体重が気になって仕方なくて、
帰国してからは、より厳しく食事制限をするようになりました。
糖質は1日20~30gまで。外食のある日でも、50~60gまでにとどめる。
カロリーは1日600~700kcalまで。外食のある日でも、1000kcalは超えないように。
食べたものは細かくノートに記録して、食品ごとの糖質量を書いて計算。
その結果、生活にこんな変化が出ました。
●コンビニ利用が増えた
⇒コンビニの食材は成分表示されているものが多く、計算がしやすかったため。前は自炊していましたが、それすら面倒になり始めました。
●人との食事の予定を断るようになった
⇒もともと外食の多い生活で、気づくとスケジュールは友達とほぼ毎日、外食に。これじゃ太ると慌てて連絡して延期、というパターンが激増。
●ひとりで外食することが増えた
⇒上記のとおり、予定をキャンセルしたのに外食の我慢ができず、結局ひとり飯をすることが増えた…というのは、以下で書いたとおりです。
回復への試行錯誤①ひとり外食をやめてみる - 3歩進んで2歩下がってもいい~ダイエットと摂食障害と素直な心
●スケジュールは食事制限の予定でいっぱい
⇒外食が続くと焦って、翌週から「この日はスープだけ」「この日は食べちゃダメ」「ファスティング週間!!」など、極端に食べない日を設定するように。
●ちょっとしたことで傷つき、怒りやすくなった
⇒なぜか、心が繊細になって、人に言われたちょっとした一言が気になって、その場で怒りをあらわにしたり、頑固に無視したりすることが増加。
でも……ここまで頑張っても、痩せませんでした。
このころの食事日記、イライラが溜まったある日に破り捨ててしまったので残っていませんが、すでに週2回は過食嘔吐していたと思います。
定めた糖質量&カロリー内におさまった日は〇を。
それを超えた日は×を、過食嘔吐した日は特大の×をつけて。
体重と体脂肪を記録して、ほとんど変わらないことに、ため息の毎日。
これでもなお、自分が摂食障害だと思っていなかったので、ただただ「どうして我慢できずに食べてしまうんだろう」「酔って吐いてばかりで、なんて意志の弱い人間なんだ」って、自分のこと責めてました。
あまりにつらくて、今ブログに書いてる「お食事記録」みたいに、過食したものまで素直に書き留めることもできず、大きな×と一緒に「食べすぎ!」と書きなぐって。
このころ、糖質制限をしていることは周知の事実になっていて、仕事で糖質制限に触れることもあり、周囲から「どうやるのが正しいの?」「試したいから、やり方を教えて」と頼まれ、得意満面でレクチャーすることも増えていました。
私が糖質制限で、痩せたのは事実。
だけど、痩せた体をキープするために、過食嘔吐という代償を払っていることは人には言えない。
みんなを騙しているような、心苦しさがつきまとうようになりました。
しかも言ってることと、やってることが全然合ってない。
人前では「ダイエットってバランスが大事! 私も、糖質制限は厳密にしてるけど、たまに好きなものをしっかり食べる日を作ってます♡」なんて言った直後、
ひとりになった瞬間に、パン屋をはしごして菓子パンを5個も6個も買って、ほろ酔いで食べまくって、しかも全部吐き出していた……超ちぐはぐ。
そのうちにイライラが募り、なんだか毎日が全然楽しくない。
親しい人が軽い気持ちで言った言葉(ダイエットのこと以外でも)過剰に反応して、その場でムッとした顔で、黙りこくってしまうこともありました。
前髪を切りすぎたとき、親から「なんで切ったの、全然似合わないわよ!」と笑われただけで、怒りがこみ上げて嫌な言い方をしたことも(図星だったので…(笑))。
そして、孤独を強く感じるようになり、ひとりの時間がつらくてたまらず、でも友達に「一緒にいて」と言うとまた外食をしてしまうから、ひとりでいることが増える…という負のループ。
「私なんかより、みんな、○○ちゃんのことが好きなんだ」とか、今まで感じたことのない寂しさとか嫉妬とかを抱えたこともあります。
過食嘔吐した日は泣いて泣いて泣いて。
大体酔ってるから、わんわん泣きながら吐いて、苦しくて。
そういえば、無理やり吐くと鼻血が出ることを知ったのも、このころ!
最初はビックリして「これでは死んでしまう」と思ったものです。
でも、鼻血が出ても、泣きながら、やっぱり吐いてしまう。
そのうちに、吐いている自分に腹が立って、タオルを投げつけたり、わめいたり。
そんな姿になっても、過食した分は吐き出さないと気が済まない。
そして私は毎日「頭がおかしいのではないか」と落ち込むようになりました。
自分に自信がなくなってきて、自分の写真を撮るのが好きだったのに、写真も撮らなくなって、完全に抑うつ状態になっていました。
摂食障害を完全に自覚したときの話は、次回に書きますね。